バスパワー増強計画 その1

 Linux Zaurus で USB 機器を扱うにあたって、問題となるのがバスパワーの供給電力が非常に非力であると言うことです。

 USB フラッシュメモリやマウス、キーボード等を使う分にはそれほど問題は無いのですが、 HDD や CD-ROM 等の比較的消費電力の大きな機器を使用する際には、別途電源を用意してやらないと大抵は動作しません。
 これは、 SL-C3000/1000 本体の USB ホスト、 REX-CFU1 どちらであっても共通の傾向です。

 機器本体に直接 AC アダプター等が接続出来る場合は、それを用いてやれば良いのですが、バスパワーのみでの駆動を前提としている機器の場合、特に USB-FDD 等はデバイス単体に対して電源供給する術が用意されていないことがあります。

これで動作すると嬉しいんだけど(^^;)


 このバスパワー= USB の電源供給不足は Zaurus に限らず PC に於いても往々にして起こり得る問題です。

 こういった場合、基本的には途中でセルフパワーで電源供給可能な HUB を介してやるしかないのですが、 BUFFALO では自社製の USB 接続 HDD 用のオプションとして、このバスパワーを補強するケーブル UC-BST を製品化しています。

UC-BST

 このケーブルが、Linux Zaurus の USB でも有効かどうか試してみました。

動作検証


 UC-BST を USB ホスト側と機器の間に挟んで接続します。
 ホストへの接続側は通常の A コネクタ、機器側はミニ B のコネクタになっていますので、ミニ B の受け口を持っている機器の場合は、この様にそのまま接続出来ます。



 さて、肝心の動作結果ですが・・・微妙(^^;)。


 使えるか?、使えないか?と言う話で言えば、 REX-CFU1 + UC-BST の構成で USB-FDD の動作は 一応 確認出来ました。
 ただし、全く同じ構成で SL-C3000 の USB ホストに USB-FDD を接続した場合、機器自体は認識されるものの、実際にマウントしようとするとエラーが発生します。
 また、 REX-CFU1 でも、場合によってはやはり機器を識別出来なかったり、マウント動作に失敗することもあり、動作は不安定です。

 さらに同様にバスパワーで駆動する DVD-Multi ドライブ (Panasonic LF-P767C)を接続してみたところ、こちらは REX-CFU1 、SL-C3000 の USB ホスト共に、ドライブのスピンアップ途中で動作が停止しました(^^;)。

 ちなみに両機器とも、間にセルフパワーで電源供給が可能な HUB を介しての動作は確認しています。

 なお、このページの写真ではレイアウトの都合上、 SL-B500 での接続例を紹介していますが、 SL-C700/760 とも基本的に挙動は同じです。

結論

 動作を見ている限り、どうも Zaurus から供給される電力は UC-BST で想定されているよりも、さらに小電流のようです。
 実際、UC-BST は機器とホストが接続されると、一旦機器への電流を自らが蓄え、蓄電が完了した時点で接続機器へ電力を供給し始めるのですが、 Zaurus に接続した場合、供給が開始されるまでは公称の20秒を越えるかなりの時間がかかります。

 結論としては、全く役に立たないと言う訳ではありませんが、 Linux Zaurus のバスパワー補完の目的で、 UC-BST を使用するのは、余りお勧め出来ません。

補足

 今回の動作を見ている限り、こと電源供給能力に関しては、

  REX-CFU1 > SL-C3000 本体 USB ホスト

と言うことになるようです。

 REX-CFU1 の最大供給電力は、公称では 100mA ってことですんで、 SL-C3000 の USB ホストからは多分それ以下の電流しか供給されていないのでは無いかと思われます(苦笑)。