Zaurus(SL-C3200)でVPN(PPTP)接続

 事務所の回線をADSLから、光ファイバへ切り替えました。
 元々局から割と近かったこともあり、正直、下りはさほど変化ないんですが、上りは劇的に早くなりました。
 と言うことで、この帯域を生かすため、外部からの接続実験の一環として、VPNPPTP)サーバを立ててみました。

サーバ側の設定

 PPTPサーバは、適当なマシンででっち上げても良かったんですが、気軽に試せると言うことで、BUFFALO BHR-4RV内蔵のPPTPサーバ機能を使ってみました。
 設定時の注意点としては、クライアント(Zaurus)側の認証方式を「MS-CHAP」に設定するくらいです。

クライアント側の設定

 Zaurusは標準でPPTPクライアント機能を備えていないため、まずは、PPTPクライアントソフトを用意します。

 Zaurus Archives


 上記パッケージをインストール後、/etc/ppp/chap-secretsを修正します。

# /etc/ppp/chap-secrets

# Secrets for authentication using CHAP
# client	server	secret			IP addresses
username	*	"password"	*

 username、passwordは、PPTPサーバ側で設定したユーザ名、パスワードを記述します。

 以上で、基本的な設定作業は終了です。


 実際の接続は、まず通常のインターネット接続後、コマンドラインから以下のコマンドを実行します。

pptp  user 

 この時点で、一応、PPTP接続は確立します。ただし、このままでは適切なルーティングテーブルが設定されていないため、プライベートと外部のネットワーク間でパケットがやりとりされません。

 ルーティングテーブルは、routeコマンドで以下のように設定します。

route add -net 192.168.0.0/24 dev ppp1

 通常、プライベートのネットワークは192.168.で始まるIPで割り振ることが多いと思うんで、大概は上記の通りで問題無いと思います。それ以外のアドレス空間をプライベートに割り振っている場合は、適宜修正してください。


 以上で、外部から自宅のプライベートネットワークへのアクセスが可能になります。
 軽く試してみた範囲では、ping、http、ftpなどのパケットが問題無くやりとりされました。また、smbmountコマンドを用いて、外部から自宅のNASへの接続等が行えることも確認しました。

 ただし、パフォーマンス的には余り芳しくありません。
 Windows PC(Thinkpad X22)を用いてVPN接続した場合、MP3(128kbps CBR)程度のデータはローカル同様、特に音飛び等することもなく快適に扱えたのですが、Zaurusではそもそもリアルタイムの再生自体がおっつかない状態でした。

 基本的に、回線に関しては同一条件(同じBTカード&W21T)な訳なんで、このへんはZaurusPPTPクライアントやpppd周り、或いは<>Bluetoothプロトコルスタック等、Zaurus側のどこかがボトルネックになっているものと思われます。

追記

 改めて別経路から、今度はLAN経由で外部からのPPTP接続を行ってみたところ、今度は快適に通信出来ました。
 ってことで、PPTPクライアントそのものは無罪?。
 と、言うか、そもそもBluetoothダイアルアッププロトコル経由で、PPP接続の制御を行い、さらにその上でVPNの経路制御って時点で、そもそもZaurusがいっぱいいっぱいなのかもしんない(苦笑)。