USB端子付SDカード

三者比較

SanDisk Ultra II Plus

 世界で最初に発表されたUSB端子付SDメモリカード。現在のラインナップは512MB、1GB、2GBの三種で、比較的大容量のモデルのみとなっている。

 発表当時から、発売を心待ちにしていたものの、いつまでたっても国内販売の予定が上がらないので、業を煮やしてexpansys個人輸入(苦笑)。

 このカードで特筆すべき点は、やはりUSB端子部のカバーが折り畳み式であることだろう。
 また、このカバーは完全に折り畳むと、丁度SDの端子部を覆う格好になり、USBメモリとして使用する際のSD端子部のカバーとしても機能している。(一部はまだ露出しているが)。

SD端子カバー


 分割式のカバーは、何といっても取り外したカバーの紛失の危険が大きく、それを気にしないでいられると言うのは、それだけでも充分に大きなメリットだ。反面、折り畳み式は機構的にはどうしても複雑になるため、破損の可能性は否めない。このへん、どちらを優先するかは個人の主観にもよるだろう。

 SDメモリカードとしての性能は、基本的にはノーマルのUltra IIと同等。いわゆる、第二世代の高速SDに相当する。この高速化の影響はUSB接続時でも体感出来る。

 デメリットを上げるとすれば、既に通常のSDカードでは20MB転送に対応したモデル(SandiskではUltra IIIに該当)が出回ってる中、どうしても性能的に一段見劣りしてしまうと言うこと。そして、何といっても入手性の悪さ・・・と言うか、通常の手段では、そもそも国内で入手出来ないと言うことだろう(苦笑)。
 この、入手性に関しては、SanDiskの売りの一つである長期保証・無償交換にも直結する話であり、国内での正式販売を是非とも願いたいところである。

inx YouSD

 SanDiskのUltra Plusに続いて登場したUSB端子付SDメモリカード。発表後、程無く、正式に国内販売も開始された。大手の量販店等でも取り扱いがあり、また、I・Oデータから発売されている製品もこのinxのOEM製品であるため、今回紹介する三種の中で、入手性は最も高い。
 ラインナップは、128MB、256MB、512MB、1GBの四種。SanDiskでは用意されていない、比較的低容量のモデルから用意されている。

 分割式のUSB端子カバーは、シンプルながらも金属が用いられ、意外としっかりとした作りになっている。

金属カバー


 分割式カバーのメリットとデメリットは、SanDiskの項で触れた通りだが、こと耐久性と言う面に於いては、必ずしもSanDiskに劣るものではない。・・・と言うか、SanDiskのは今にも壊れそうだ(^^;)。

 このinxの最大のメリットは何といってもその入手性の高さだろう。販路の広さもさることながら、128MBからラインナップが用意されていることで、価格的にも比較的手を出しやすい。

 なお、現在は後継製品として、YouSD IIも発表されている。そちらは現在の主流である20MBの高速転送に対応し、さらにラインナップから128MBモデルが外された代わりに、大容量の2GBモデルが追加された。

恵安 PSd

 三者の中で最も後に発表されたUSB端子付SDメモリカード
 ラインナップは128MB、256MB、512MB、1GB、2GBと一通り揃えられている。
 転送速度は、メーカー公称では13.5MB/sとなっているが、まぁいわゆる10MB転送モデルと考えて差し支えないだろう。

 特筆すべきは、USB端子部の構造で、これまでの二者と異なり、片側にオフセットされたデザインとなっている。

オフセットされたUSB端子


 薄型のノートPCや、小型のHUBなどでは、隣接するUSB端子部が密着している場合もあるため、そういった状況下ではこのデザインは大いに役立つのでは無いかと思われる。・・・まぁ、オフセット方向によっては、むしろ逆効果の場合も考えられるが(^^;)。

 また、この独特の端子配置のため、USB端子部のカバーも特異な構造となっている。・・・と言うか、SDカードとして用いる場合でも、このUSBの端子部は剥き出しのままとなるため、カバーと言うよりは、単なるスペーサと言った方が正確かもしれない(^^;)。

 まだまだ、発表されて間もないこともあり、販売については未知数であるが、発売元の恵安の製品は、比較的安定して流通しているメーカーの一つであるため、比較的入手性は良くなるのでは無いかと思われる。

 なお、カード本体とは全く関係は無いのだが、この製品のパッケージは個人的に非常に気に入っている(笑)。

PSdパッケージ(^^)

Zaurusでの活用

 SDカードとしての利用に関しては、当たり前ではあるが、特に問題無く通常のSDメモリカードとして利用出来る。USB部に関しては、要はUSBメモリとしての扱いとなるため、USBホストケーブルや、REX-CFU1経由で利用することが出来る。

 ただ、むしろこのUSB端子付SDカードが威力を発揮するのは、他の機器との連携に於いてである。既に、Zaurusを利用している人間であれば、自分の環境では何らかの連携方法は確立しているものと思われるが、出先の環境では必ずしもそうはいかない。
 SL-C860以降の機種であれば、標準でZaurus本体をUSBストレージとして接続することも可能ではあるが、ケーブルを持ち歩かずとも、同等のデータのやりとりが出来るのは非常に大きなメリットである。

 また、最近のデジタルオーディオや、メディアプレイヤー機器などではUSBマスストレージを活用出来る機器が増えてきており、そういった機器とZaurusでデータのやりとりをする際にも、このSDカードは非常に有用だ。実際に、私もNETJUKE NAS-M7HDとZaurusの間でのやりとりで、非常に便利に活用している。

NETJUKE